「もしもし?」

うれしい気持ちを隠しながら、平常心を装って電話に出る。

「今、どこ?」

挨拶もないところが彼らしい。

「家を出たところ。そっちは?」

同じように短い言葉で返してみる。

「俺も出たとこ。学校まで来られるか?」

「うん、向かうね」

「了解」

その言葉の1秒後には電話は切られていた。


そっけないなぁ、と思うけれど、それにももう慣れた。