意識を電話に集中。

「木曜日の工事までに間に合えば、移植することはかまわないそうだ。まだ時間はあるから、それで進めて見るとよいよ」

「ええ! 本当ですかっ。良かったです~」

「河原崎君にそれを伝えたら、『兼子校長から伝えてあげてください』と言われてしまってね。いや、あの子には参るよ。ははは」

「あはは。でも、ありがとうございます。本当にうれしいです」

お礼を何度も言ってから電話を切る。

振り向くと、お父さんが首をかしげている。

もう顔色は元に戻っていた。

「今のは校長先生?」

「そうだよ」