「未希っ、待ちなさい」

あわてて追いかけてくる母親に腕をつかまれる。

「なによ?」

「申し訳ありませんでした、って言うのよ」

「は?」

お母さんは今度は涙目になっている。

腕をにぎる力が痛いってば。

「校長先生に、ちゃんと謝りなさいよ。ヘンな言い訳しちゃうと許してもらえないから」


……これは勘違いしてるわ。


説明するのも面倒くさいので、「はいはい」と指でオッケーマークをつくりながら受話器をとった。