なんだか校長先生が少年のように見えてきちゃうから不思議。

そうしてしばらくぼんやりとしていたかと思った校長先生が、いきなり立ちあがった。

「そうだよな。ムリだと決めつけてはいけない。私からももう1度、市にかけあってみるよ」

「ありがとうございます、校長先生」

深く頭をさげる楓を見ながら不思議な気持ちになる。


楓はどうしてそこまであの木を守りたいんだろう……。


ひょっとしたら、なにか大切な思い出があるんじゃないか?



そんなことをふと思った。