外に出ると、やはり上空には厚い雲が覆っている。

今にも雨が降り出しそう。

天気に同調してなぜか泣きたくなるから不思議。


・・・・・・さすがにいないかも。


それでも早足でベンチを目指す。


「あ・・・・・・」


遠くからでも見えた。


彼が座っている。

いつもの場所で、いつもと同じように。


私も定位置のベンチに座った。

意識が右側に集中している。