「未希さん、これが桜の木だと思ってたのですか?」
亜実は責めるような口調ではなく、むしろ不思議そうな顔をして聞いてくるので余計につらい。
「あ、あはは。……違うの?」
学校に生えている大きな木っていうと、たいてい桜の木じゃないの?
「アホか。これは紅葉(もみじ)の木だ。赤く色づいてるのもそのせい」
楓が幹に右手を当てると、
「これから気温がさがるたびにどんどん赤く色づくの。あと1週間もすれば遠くからでも燃えるような赤色の葉が見えるんだよ」
と、うれしそうに言った。
亜実は責めるような口調ではなく、むしろ不思議そうな顔をして聞いてくるので余計につらい。
「あ、あはは。……違うの?」
学校に生えている大きな木っていうと、たいてい桜の木じゃないの?
「アホか。これは紅葉(もみじ)の木だ。赤く色づいてるのもそのせい」
楓が幹に右手を当てると、
「これから気温がさがるたびにどんどん赤く色づくの。あと1週間もすれば遠くからでも燃えるような赤色の葉が見えるんだよ」
と、うれしそうに言った。