「そうです。校門も取り壊すので学校の敷地が少し狭くなってしまいますね」


へぇ……。


そんな計画があるなんてしらなかった。


「じゃあ、どうしようもないの? なんとかならないの?」

「ならないな。こればっかは俺たちが動いてどうにかなる問題じゃないしな……」

そう言う涼の表情はいつもよりも機嫌が悪く思えた。

「亜実さん」

「お力になれなくて申し訳ありません。もうずいぶん前から決まっていたことなので、どうしようもありません」

「そんな……。はじめて私が依頼を受けたのにな……」

楓になんて言えばいいんだろう?