「え、そうなの?」

「未希さんはご存知ないかもしれないですが、この辺りは区画整理の対象となっているんですよ」

亜実がそう言う。

「区画整理ってなぁに?」

涼に尋ねるとまたなにかイヤミを言われそうなので、亜実の方を向いて聞いた。

視界のはしには、やっぱり呆れた顔をした顔が映ったが気にしない。

「区画整理というのはですね、都市計画などで道路を広くしたりすることを言います」

「じゃあ、あの木が立っているところが道路になるの?」