この私立の高校に来たのは他にも何人かいるけど、同じクラスなのは琥太郎だけ。

これで4年も一緒のクラスという偶然。

「別に」

「ふーん。なんか、ヘンな顔してるからさ」

「そう?」

答えながらも気持ちがあせりだしている。


心の戦いはとっくに決着がついていた。


ううん、はじめから勝敗は目に見えていたのかも。


「未希、知ってるか? 駅前のさぁ」

「ごめん、琥太郎」

「ん?」

「私、ちょっと行かなくちゃ」

自分でも気づかないうちに小声で言っていた。