「そっか……」

楓は少し声のトーンを落とした。

「とりあえず話してみて。なるべく受けられるように私も努力するから」

そう言う楓の目がすこし潤んだように見えた。

「うん」

期待に満ちた目を見て「しまった……」とも思ったが、言ってしまったものは仕方ない。


きっと涼も亜実も受けてくれるはず。


楓は校庭の奥を指さした。

「私の依頼は、あれ」

「え?」

指さした方を見る。