「突然すみません。『お助け倶楽部』に相談があって来ました」

そう言うと、私の横に音も立てずに座った。

隣のベンチの萌絵が他人のフリで小説を読み始めたけど、絶対聞き耳を立てているにきまっている。

「はじめまして、1年5組の柴田未希です」

涼に教えてもらったマニュアルどおり、自己紹介からすると、、

「ああ、同じ1年なんだ、良かった……。私、1組の恩田楓(かえで)です」

と、ホッとしたような声を出した。

「同級生かぁ。私もホッとしちゃった。緊張してたんだよね」

「私も。怖い先輩とかやったらイヤだなぁ、って」

そう言って静かに笑う恩田楓。