「一応、今までの会話を録音したものを、校長先生と野球部の監督に聞いてもらうことにしますから」

にっこりと笑って言う琥太郎に、太一の顔色が変わる。

「お前、ふざけてんのか?」

「あんたほどじゃないけどな」

その言葉に太一が逆上。

「てめぇ!」

叫びながら琥太郎に向かって両手を伸ばす。


そのふところに素早く入ったのは萌絵だった。

ふわっと太一の体が宙に浮かんだ。

「えいっ!」

萌絵のかけ声の1秒後、

ダーン!

と、すごい音がして、太一が床にのびていた。