「もとはと言えばお前が悪いんだ! キレイに別れてやろうと思って計画したことのなにが悪いんだよ! お前みたいな女に飽き飽きしてたんだよ!」

右足で床をバンッと打ち鳴らして叫んだ。

「太一……」

紗江がゆるゆるとそちらに濡れた顔を向ける。

「ああ、そうだよ。俺が仕組んだんだ。お前と別れるためになっ」

「ひどい……」

「ひどい?」

フンと、鼻を鳴らして太一が笑う。

「どうとでも思え。お前みたいなヤツとつき合うんじゃなかったよ」


がっくりとうなだれた紗江は、ガクガクとふるえながらその場にうずくまってしまった。