「千佳……?」
紗江が尋ねるが、千佳は微動だにしない。
「そう、この写真に写っている男性は千佳のお兄さんなんだよ。千佳が『用事があってどうしても持っていけないから』、とか理由をつけて会いにいかせる手はずだったんだ。当然、尾行している俺たちがそれを浮気だと思い込む、と」
「……」
太一も千佳も動かない。
「でも、計算外だったのが、紗江が浮気をしそうにない人物だったってこと。そうだろ、未希」
「うん」
私はうなずいた。
紗江が尋ねるが、千佳は微動だにしない。
「そう、この写真に写っている男性は千佳のお兄さんなんだよ。千佳が『用事があってどうしても持っていけないから』、とか理由をつけて会いにいかせる手はずだったんだ。当然、尾行している俺たちがそれを浮気だと思い込む、と」
「……」
太一も千佳も動かない。
「でも、計算外だったのが、紗江が浮気をしそうにない人物だったってこと。そうだろ、未希」
「うん」
私はうなずいた。