「……いいんです。私にも、教えてください……」

「そうか」

少し寂しそうに言う涼が、後ろを向いて、

「亜実、連れてこいよ」

と、大きな声をあげた。


ガチャッ


扉の開け閉めする音。

その数秒後に亜実の姿が現れる。


そして、その横に立っていたのは、斎藤千佳だった。


「千佳……?」

紗江が目を見開いてつぶやいた。