「は? どこがっすか!?」

純朴そうな青年の顔はどこへやら、太一は憎々しい目をして涼をにらんでいる。

「駅前のホテルは一応名のしれたホテルだ。ラブホテルじゃない」

「そんなことわかってますよ。でも、ラブホテル代わりに利用するヤツだっているだろ。そこの女みたいにな」

鼻から荒々しく息を吐くと、太一は腕を組んだ。

「ふん。まぁ、そういう目的で利用する客もいるだろうな。でも、紗江は違った、とここで断言しておこう」

「なんだよそれ」

「よく考えてみろよ。スーツを着た男性と、制服の女の子。この組み合わせにホテル側は、けして部屋は貸さないだろう。特に、一流ホテルでは」