「お前、浮気……浮気してたのか?」

「違う。私……そんなこと、してないよ」

顔をあげた紗江の目は潤んでいた。

「じゃあ、これはなんだよ。なんなんだよ!」

太一が写真を紗江の足元に投げつける。

バラバラ、と音をたてて、あの場面が床に広がった。


たしかに……。


写真を見るかぎり、浮気の証拠写真にしか見えない。

「違うの……。お願い、信じて。私、浮気なんてしてない」

声をゆがませて言う紗江に、太一が声をかぶせる。

「ウソつけ! 浮気してる、って証拠が出てんだよ! なんでだよ……。なんで浮気なんてするんだよ」