紗江はまだ驚いた顔のまま時間が止まっている。


大丈夫。


まだ、続けられる。

「あ、あは。ヘンなところ見せちゃった」

苦笑いをしながら、少し恥ずかしそうな顔をすると、紗江はようやく呪縛が解けたように息を吐いた。

「驚いちゃった……」

「ごめんなさい。まさか、バレると思わなくって」

校門にもたれて空をあおぐ。


ふふ、なんだかモテまくってる子みたい。



案外この役、気分がいいな。