「で、なにを聞きたいのですか?」

「え?」

思わず聞き返す。

「美術部のこと。なんでも答えますから、どうぞ」


___しまった。


質問内容までは台本に書いてなかった。


「え、ええと……ですね」

言葉につまった私を不思議そうな表情の紗江が見ている。


ヤバい。


早く、早く次のシーンへ!


「おい」

急に後ろから声がかかって、驚くフリをするところをうれしさのあまり満面の笑みでふりかえってしまった。