「浮気に気づいたのはいつからなの?」

「……っ」

世間話でもするように穏やかに尋ねる亜実の声に、千佳はビクッと体をふるわせた。


おそるおそる、千佳の顔を見る。


その顔はとても疲れているように見えた。


「千佳さん。あなたが友達をかばいたい気持ちはわかります。だけど、どうしても教えてほしいんです」

顔を近づけて亜実が言うと、千佳は反対に体をのけぞらせた。

「でも、でも……」

その顔が涙で濡れている。