その紙に書かれていることを読んでいると、

コンコン

と、ノックの音が聞こえた。

「はい、どうぞ」

亜実が答えると、おずおずとひとりの女子生徒が扉の向こうから顔をのぞかせた。

「あ、あの……。ここに来るように先生に言われて……」

その顔を見て、私は声をあげそうになるのを寸前でこらえた。


この子、昨日紗江と一緒に帰っていた子だ!


なんでここに!?


「お待ちしていました。どうぞ、お入りください」

亜実がいつものソファにその子を誘導する。