「いきなりなぐらなくっても」

ぶつぶつと文句を言いながらも、しょうがなくついてゆく。


ふと、横顔のまま涼は目だけで私を見る。


「捜査の最終仕上げは、潜入捜査だな」

「潜入……なにそれ?」

なにかたくらんでいるような顔してる。

イヤな予感がするんですけど。

「なに、簡単なことだ」

体ごと私に向くと、人差し指をこっちに向けた。



「未希、お前は明日から美術部に入るんだ」