「みんなおはよう。調子はどう?」

「あ、おはようございます」


挨拶を返せば、ふわりと笑う。ドアを開けたのは古賀先生だった。


「今日は天気いいからテンション上がるっすよ!」

「とか言いながら三浦くん、授業中ゲームばっかりしてるんじゃないでしょうね?」

「なんで知ってんすか!?」


図星だったようで、魔女こわい、と言いながら日向先輩は身を縮める。

何か飲みますか、と紫苑先輩が席を立ち、コーヒーお願い、と答えた古賀先生は空いているパイプ椅子に腰かけた。


「戸田さんはどう?」

「あ、えっと、元気です」

「そのわりにはちょっと顔色悪いように見えるわ。眠れてる?」


その問いかけに、すぐに頷くことができなかった。実際、色々と考えていてあまり眠れない日が続いていた。

いやあ、と曖昧にごまかして、長く伸ばした前髪に隠れるように俯く。そんな私に優しく笑いかけて、ホットミルクとか飲むといいわよ、保健室のベッドもいつでも貸すからね、と古賀先生は甘やかすように言葉を続けた。