「なんか、真央くん嬉しそうですね……?」

「ああ見えてかなりの甘党なのよね~」

「え」


意外すぎる……!

驚いていると真央くんは私たちのほうを振り向き、コーヒーと紅茶のパックを掲げて見せた。


「私はコーヒー」

「あ、えっと、じゃあ私もコーヒーで……」


お願いします、と少し迷いながらも頼む。すると真央くんはじっと私を見つめた。


「……え、な、なに?」


ぎこちなく聞けば、ふいと視線は外される。

その仕草に疑問を抱きながら真央くんが淹れてくれるのを待っていると、隣で紫苑先輩がくすりと笑った。


「え?」

「んーん、何でもない」


そんなやりとりをしている間に真央くんが三人分の飲み物を机の上に置いて、私の斜め前に座る。


そして私の前に置かれたのは、何故かオレンジジュースだった。