「これ、洗濯、お願い」

「古賀先生」


はあ、はあ、と肩で息をしながら養護教諭の魔女先生こと古賀先生が差し出してきたのは白いシーツ。

仕方なさそうに真央くんが受け取ると、古賀先生はふわっと笑う。


緩く巻かれた茶色の髪の毛と、ふんわりとした白い膝丈のスカート。

どう見ても二十代に見える古賀先生は、こうして保健室の洗濯物を持ってきたり、たまにお菓子を持って来たりして、私たちの様子を見に来てくれる。


「みんな調子はどう? あ、戸田さん、もう慣れた?」

「はい、おかげさまで……!」

「それはよかった。保健室も部室も好きなときに来ていいからね。何かあったらおいで。じゃあ私職員会議だからもう行くわね!」


流れるようにそう言って、嵐のように去って行った古賀先生。


「……あれでアラフォーとか信じられないわよね」

「本当にな」


呆れたように先輩二人が笑って、私の背中を押す。

真央くんだけを残し、私たちは三人揃って部室を出た。