日向先輩の返事を聞いて、またハーブティーに口をつける紫苑先輩。今日は綺麗な黒髪を二つに結んでいる。
紫苑先輩は時々、放課後の活動にいないことがある。そういう日はラグビー部の部員さんたちが、目に見えてシュンとしているのだった。
そんな日々を過ごすうちに、何となく分かってきたことがある。
日向先輩は洗濯部の活動に全力を注いでいる。
真央くんは教室に行っていない。
紫苑先輩は放課後に休むとき、いつも以上に可愛くしている。
そしてこの洗濯部では、それをあえて聞くようなことはしない。
私がいつも黒いケースを持ってここに来ることにも、誰も深入りしてこない。
それが今の私にとって、すごく居心地がよかった。
もうすぐ予鈴も鳴るしそろそろ教室行くか、と日向先輩の声で立ち上がりかけたときだった。
ガラッと勢いよく開いたドア。驚いてそっちを見ると、よく知った人物が息を切らして立っていた。