「ちょっと? どうしたの」

「あ、アルバム……」

「アルバム?」

「ごめん、ちょっと見てもいい……?」


様子の可笑しい私を、心配そうに米川さんが見ている。

渡されたアルバムのページを震える手でめくった。


私のクラスの全体写真。左上に一人だけ、小さな丸に収まっていたのは、不登校の男の子。


どういうこと。

どういうこと、どういうこと?


頭の中がハテナでいっぱいになった。

でも、もう考えている余裕なんてなかった。


「……米川さんっ!」

「え、なに」

「ちょっと、お母さんとケーキ食べてて!」

「は」