「ラグビー部さんこんにちは! 洗濯部です!」
まず初めにやって来たのは、ラグビー部のところ。
日向先輩が元気よく挨拶をすれば、ちわーっす、と野太い声が束になって返ってきた。
ぞろぞろとこちらに歩いてくる部員は、みんな揃ってガタイがいい。むわっと熱気のようなものが押し寄せてくる。
あまりの迫力に思わず後ずさりすると、トンと背中が何かにぶつかった。
「あ、すみませ……」
「……」
振り向けば、私をじっと見下ろす美青年。真央くんである。
その色素の薄い瞳が何の感情も表していないことに気付いて、慌てて距離をとり、ぺこりと頭を下げる。
「……す、すみません」
「……」
もう一度謝ると、興味なさげに視線が逸らされた。
よかった、と胸を撫で下ろしていれば、日向先輩がラグビー部の部長さんらしき人と話をしているところが視界に入った。
「よお、いつも悪いな。そこにある分頼んでいいか?」
「任せとけ! 新しい部員も入ったから、こんぐらい超余裕」
「新しい部員?」