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すっかり忘れていた。
そうだ、そういえば私は教室で米川さんに惚れました発言をしたんだった。
日向先輩の去って行った部室で真央くんと二人、いつも通りに洗濯機を回して、今日は雨だから部室に干して。予鈴が鳴ったから残りの洗濯物は真央くんにお任せして、教室に入った瞬間、私はそのことを思い出した。
クラスメイトから遠慮なく向けられる好奇の視線。土日を挟んだからか、あの発言をした日に比べたらだいぶ減ったような気がするけれど、それでも興味津々といった様子で見られているような気がした。
これが自意識過剰だったならいいのだけれど、生憎私は人の機嫌を窺うことに長けている。
みんなが私に向けているのは本当に純粋な興味といったところで、陰口をたたかれているわけでもないから、ただただ恥ずかしい。これに尽きる。
何となく身を小さくしながら教室へと一歩足を踏み入れた。
「おはよう」
クラスの一匹狼である米川さんの席は、廊下側の一番後ろ。すなわち、私が今入ってきたドアに一番近い位置で。
米川さんはドアを見張るかのように、後ろ向きに椅子に座っていた。まるで私が来るのを待っていたかのようにも思える。