至って良好な人間関係を築けていたと思う。
陸上に対しても真摯に向き合ってきたと思う。
高校生になってからも自分は周りから期待される存在で、だからこそ努力を惜しまないようにしていた。
中学のときと同じくリレーメンバーに選ばれたときも、少しでもチームに貢献できるように頑張ろうと思っていた。
脚に違和感があるのは気のせいだと自分に言い聞かせていた。
村瀬と出会ったのもこの頃だった。
日向の走りを尊敬しながらも、友だちとして気兼ねなく話ができるその存在は、とてもかけがえのないものだと思っていた。
そんな中で迎えた、三年生最後の大会。
一年生ながらアンカーを任された日向は、やはりこのときも全力で頑張ろうと思っていた。周りの期待に応えるような走りをすることが、自分の使命だと思っていた。
予選はいつも通り走って、通過することができた。
決勝で三位以内に入れば、もう一つ先の大会へ進むことができる。三年生はこの大会が最後にならない。もっとこの人たちと走ることができる。
必ず三位以内でゴールをする、と心に決めていた。