「紫苑先輩!? 服!? 着てください!?」
その辺に置いてあった布を引っ掴んでダッシュする。そして、え、と不思議そうにした紫苑先輩をぶわっとその布で包みこんだ。
「え、じゃないですよ! 何ですかどうしたんですか日向先輩に脱がされたんですか!?」
「葵ちゃんこんなに大きい声出るのね~」
「私の話聞いてますか!?」
矢継ぎ早に質問を投げつける。
しかし当の紫苑先輩は何でもないことのようにいつも通りの笑顔を浮かべるものだから、私の混乱はピークに達する。
ちょっと待って、状況を整理しよう。
突然降り出した大雨に、着ていたシャツが濡れてしまったのだろう。
そのシャツを日向先輩が脱いで、上半身裸になっているのは全然理解できる。
何といってもここは洗濯部。ベランダに行けば洗濯機があるし、脱水して部室に干しておけば帰る頃にはシャツくらいなら乾くだろう。
問題は紫苑先輩である。
何故紫苑先輩までシャツを脱いで、しかもキャミソールまで脱いでしまっているのだ。
ついでに言うと、今の紫苑先輩はブラもしていない。