「な、なんでっ……!」
「何でって、くじで引いたのがここだったから」
わなわなと肩を震わせるあたしに、さらりと答えるのは……椿冬都。
そうだ。あたしは、スミレと離れただけでなく、スミレの隣は芹香なうえ、あたしの隣の席はあの椿くんだったのだ。
椿くんには、朝絡まれて怒鳴り返したっきり話していない。
むかつくとか関わりたくないとか、いろいろ思うことはあるけど、何より気まずい!
最悪だ……。神様はどこまであたしを追い詰めれば気が済むんだろう……。
「まあ、適当によろしくね、春風さん」
「……よろしくなんかしないし」
机を動かし終わったあたしに、椿くんが抑揚のない声で言う。
何それ。あたしのこと嫌いだって言ってたくせに。
あたしは、こっちを見ている椿くんの視線から逃れるようにスミレの方に目を向ける。
芹香と……すごく楽しそうに話しているのが見えてしまった。