そして放課後。久しぶりに、雪くんと会う公園に向かった。
そういえば、スミレと芹香といろいろあって自分に余裕がなくて、しばらく来ていなかったような気がする。


広い公園を散策して、雪くんが来ていないか探したけど、姿はない。


あー、結構何回も会ってるのに、そういえば連絡先を交換していなかった。


椿くんなら、雪くんの連絡先を知ってるのかな。
いやいや、あたしが椿くんの為にと勝手にやってることだから椿くんに頼ったら意味ないし、そもそも雪くんが山茶花くんなのかまだ決まったわけじゃないし。



まあ、ほとんど確証を持ってることには違いないから、椿くんには山茶花くんに会ってくるって宣言しちゃったわけだけど。


そんなことを考えていると、学校名を言いながら「ファイッオー!」とかけ声をしながら、ぞろぞろとランニングしている団体がやってきた。


同い年ぐらいの男子が数人。部活の走り込みか何かかな、なんて思いながら目の前を通り過ぎていく彼らを眺めていると、あたしは目を丸くした。



「あーーっ!!」



あたしの大声に、その団体が足を止める。


すると、その中の一人が、あたしを見るなり明るい笑顔を見せてきた。


「なずな!」


「ゆ、雪くん!?」