学校を飛び出して、必死でひた走るあたし。
芹香……芹香……!
今までの芹香の表情とか言葉とかが、走馬灯のように頭の中を流れていく。
転入生として初めて会った時のこと。
ポニーテールがすごく印象的で、活発そうな雰囲気がきつい性格に思えた。
でも、実際はすごく気さくで面白くて。
遊園地であたしを置いて行ったのも本当に悪気はなかったんだ。怖さのあまり、ついそうなってしまっただけ。
スミレに無視されるようになったあたしをずっと気にかけてくれてたほど、芹香は優しくていい子だったのに。
それなのに、あたしは……。
『あたしは前からずっと、芹香のことが嫌いで 、邪魔で仕方がなかったからだよ』
これじゃあ、スミレに嫌われても仕方ない。
あたしが1番最低だった。
たぶんまだ何も知らない芹香に今までのことを全部話して、ちゃんとごめんなさいって謝って……。
そうしたら、やり直せるかな。
今度は、今度こそ、“本当の友達”として。
毎日笑い合える関係になれるかな。