「ねぇねぇ、まず何から乗るー?」
「私はメリーゴーランドとか……」
きゃっきゃとはしゃぎながら、様々なアトラクションを指さす芹香とスミレ。
そんな2人の後ろで、あたしは俯いていた。
どうして、こんなことになってしまったんだろう。
今日、あたしはスミレと2人で楽しむはずだったのに。
あたしが勝手に早合点してしまっていただけなんだけど、それでもどうして、よりにもよって芹香なんだ。
浮かれていた数時間前の自分を殴ってやりたい。もし時間を巻き戻せるのなら、スミレに誘われた時点で断るのに。
本当は、今だって「芹香がいるなら嫌だ」と言って、帰りたい。
でも……。
「なずな!早く行こー!」
「……うん」
芹香に呼ばれて、あたしは2人のあとをついていく。
そうすることしかできないんだ。
だって、ここであたしが帰れば、スミレと芹香は2人で遊園地に行くことになり、もっと仲良くなってしまうかもしれない。