そんなことを考えながら、胸を踊らせていた。


「あ、なずなちゃーん!」


待ち合わせ時間の5分前になり、スミレの声が少し離れた場所から聞こえた。


「スミレ!」


あたしはその呼びかけに答えながら、声がしたほうを振り返った。



……そして、絶句した。



「おはよう、なずな」



何故かスミレの隣にはもうひとり、ポニーテールを揺らした人物がいた。


それは見覚えのある人物で、なおかつ1番見たくない顔だった。



「……せ、りか……?」



笑顔で手を振りながら、スミレと一緒に駆け寄ってくるのは、そう、紛れもなく八潮芹香。


何で?どうして芹香はここに来たの?
もしかして、スミレが勝手に誘ったの?


あたしは思わず、どういうわけか説明を求めるみたいに芹香とスミレの顔を交互に見る。


すると、スミレはにこやかに笑って……。