なんて、嫌な人なの。
あんなにも失礼なことを言う人がクラスメイトだなんて。最悪すぎる。


スミレは、誰が何と言おうと、あたしの“友達”なんだから。


誰にも、特に蘭みたいに突然やってきた人なんかに、絶対渡さないんだから。


ひとりになってたまるもんか。


教室へと向かいながら、血の味がするぐらい強く唇を噛む。


「あたしのことなんか何も知らないくせに……!」


話したこともない相手に、いきなりよくあんなことが言えたものだ。


椿くんに対して、失礼な嫌な奴、という印象が、この時しっかりとあたしの中で植え付けられた。


そうだ。明日は、スミレを誘って放課後ショッピングに行こう。


こんな嫌な気分の時には、ストレス発散するのに限る。


そう思っていたのに、嫌なことというのは立て続けに起こるもので……。