本能的に、嫌な予感がしていた。
きっと、あたしにとって都合の良い展開ではない、と。
「そ、そうかな。そんなに楽しかったの?」
「うん!だって、芹香ちゃんと3人でバドミントンができたんだよ!」
……ほら、やっぱり。
3人だからどうしたっていうの。
あたしはむしろ、いつもよりも楽しくなかった。
2人が仲良く活躍しているのを、唇を噛みながら見ていたというのに。
「私、なずなちゃんの時も芹香ちゃんの時も、足を引っ張ってばかりだったんだけどね。芹香ちゃんとペアだった時、まさか勝てるなんて思ってなかったよ!」
そうだよね。あたしとペアだった時は、まあ当然の結果、とでも言うように負けた。
でも、芹香との時は……。
確かにすごかったけど、何もその話を“今”しなくてもいいじゃん。
せっかくの心が穏やかになれる時間だったのに。1日の中で、あたしにとっては唯一の。
それなのに……スミレのバカ。