というのも、どうやら芹香は結構運動神経が良いらしく、ミスを連発するスミレをフォローしながらも、持ち前の器用さで自分達の得点も稼いでいく。


相手チームも、決して弱いわけじゃないのに、あっという間に点差は広がり、スミレと芹香が勝利を収めた。


「八潮さんと染色さんペア、めちゃくちゃ強い!」


「すげー!圧勝じゃん!」


もちろん、周りからも必然的に注目が集まる。


口々に褒められ、恥ずかしそうにしながらも、嬉しそうに笑い合うスミレと芹香。


そんな光景が、あたしをひどくイラつかせた。


スミレはほとんど足を引っ張っているだけなのに、それでも二人共とても楽しそうだから、本当に息が合っているように見えてしまう。


たかが体育。たかが学校の授業の一コマで、あたしよりも“良いコンビ”な2人に嫉妬をするなんて。


“友達”なんて、自分が独りにならない為だけの存在なはずなのに。


最近のあたしは、なんだかおかしくて、情けなかった。