次の日も、スミレと芹香の様子は変だった。
なるべく早い時間に登校したというのに、今日も芹香はあたしよりも先に学校に来ていたらしく、ドアの向こうから2人の話し声が聞こえてくる。
「……でね、このお店のケーキがめちゃくちゃ美味しいの!」
「そうなんだ!じゃあ、ここで決定だね!」
あんまりはっきりとは聞き取れないけど、そんな内容だ。
今日は悪口じゃないみたいだけど、声の雰囲気からして何やら楽しそう。はしゃいでいる芹香と、微笑むスミレが目に浮かぶ。
もしかして2人で遊ぶ予定でも立ててるのかな。
あたし……そんな話、聞いてない。
今度は3人で遊ぼう、なんて言いながら、あたしは結局のけ者じゃないか。
でも、当然か……。少なくとも芹香は、あたしのことが嫌いっぽいし。
LINEのメッセージなんて、相手の表情が見えないから、いくらでも嘘はつける。その言葉を間に受けた自分が悪いんだ。