いくら考えても、私達に答えは出せなかった。


19時19分は過ぎたし、もう大丈夫だという事で、私は家に帰る事にした。


当初の予定では、この時点でもう終わり。


おまじないには二度と関わる事がないと決めていたはずなのに、時間が経てば経つほど、二回目が近付いているような気がする。


「菜々のその気持ちは、いつになったらなくなるんだろうな。愛しの子猫ちゃんが、そんな事で悩む姿は見たくないのに」


家までの道、南部君が送ってくれると言ったけど、「俺の方が菜々といた時間が短い」という子供みたいな理由で、向井さんが送ってくれる事になった。


私としては、せっかく南部君を好きになったんだから、一緒に歩きたかったんだけど。


向井さんは強引だから。


その言葉になのか、私の気持ちになのかは分からない。


だけど何だかおかしくて、フフッと笑ってしまった。


「そうそう、その笑顔がたまらなくチャーミングなんだから、ずっと笑っていてくれよベイベー」


気を良くしたのか、さらにたたみ掛けるように、大袈裟に言う向井さん。


歩きながらでも、私の目をずっと見続けている。


でも、どうしてなんだろう。


向井さんはずっとこう言ってくれてるのに、南部君の方が好きなのは。