自分できいて恥ずかしくなってきた。


気まずいからって、まるで私がモテるような尋ね方をしてしまったから。


調子に乗るなよ。とか思われてたらどうしよう。


「そりゃあ嫌だよ。他のやつの家にいるなんて」


私の心配を、南部君の言葉が掻き消してくれる。


でも、それってつまり……南部君も他の男子と同じような感じで私を見てるって事?


「そ、そうなんだ。ふーん」


誤魔化してみたけど、私の心臓の動きが急に早くなって。


今までそうでもなかったのに、南部君を意識し始めたのが分かる。


「ふーんって、それだけ?」


「そ、それだけって……何て言えば」


今思えば、毎日電話を掛けてくるのも、彩乃の様子を一緒に見に行ってくれたのも、そういう事だったのかな?


南部君は、私の事が好きだったんだ。


そう認識した瞬間、今まで私の中になかった感情が芽生えた事に気付く。


「い、いや……何もないなら良いんだけど」


南部君の事は嫌いじゃないよ?


でも、こんな状況だし、誰かに頼りたいだけかもしれないし、気持ちもおまじないに向いてるから、はっきりとは分からない。


ただ、一緒にいてほしいとは思う。


それから、お互いに何も話せずに、時間だけが過ぎて行った。