病院を出て、南部君に付いて歩く事10分。


住宅街の中を歩いて辿り着いたのは……南部君の家。


表札に「南部」とあったから、ここが南部君の家だと分かったけど、どうして家なんだろ。


「入ってよ。ちょっと散らかってるけどね」


「あ、うん。別にそれは大丈夫なんだけど」


まあ良いか。


南部君は協力してくれているんだから、自分の家が落ち着くならそれで。


家に入り、案内されるままに二階に上がった私は、南部君の部屋の中に入った。


……何と言うか、男子の部屋はもっと汚いと思っていたのに、私の部屋より片付いていて、ずっと綺麗だ。


「汚くてごめんね。最後に掃除したのが一週間でさ。あ、適当に座ってよ」


三日前に掃除した私の部屋より綺麗なんですけど!


「ま、まあ綺麗なんじゃないかな。男の子の部屋にしては……ね」


変な対抗意識を燃やして、見栄を張ってしまう。


「森川さんは部屋を綺麗にしてそうだから。俺の部屋なんてゴミ溜めみたいなもんだろうね」


全然そんな事ないです。


私の部屋の方がゴミ溜めそのものです。


部屋が綺麗だと思われてるなんて、南部君はどんな目で私を見ているんだろう。


どんなに頑張っても、こんなに綺麗にはなりそうにないよ。