彩乃が入院している病院を探して電車移動になれば、19時19分に学校に行く事が出来ないかもしれない。


そうなれば、諦めるしかないから。


そんな事を考えながら到着した、学校から近い病院。


この辺りでは一番大きな病院だから、可能性としては高いとは思うけど。







「山中……彩乃さん。まだ集中治療室に入ってるみたいね。あなた達、山中さんの同級生?だったら残念だけど、ご家族しか入れないのよ、集中治療室は」


病院に到着して、受付で聞いてみると、あっさりと見付かってしまった。


それはそれで嬉しいんだけど、こんなに簡単に見付かると思ってなかったから予定が……。


「分かりました、ありがとうございました。……だって、どうする?」


「どうするって言われても。とりあえず行ってみようよ。話くらい聞けるかもしれないし」


何もしないで帰ってしまったら、彩乃がどうなったのかも分からないままになってしまうから。


病院の見取り図が書いてあるプレートの前に移動して、集中治療室を探した。


「えっと……どこだろ」


「んー。あ、あった。ここだ」


私の背後から手を伸ばし、プレートを指差した南部君。


その場所と現在地を確認して、私達は集中治療室に向かった。