南部君の言うように、この気持ちがずっと続いたらどうなるの?


勉強も出来なくなるほどおまじないの事を考えて、受験日当日もそのままだったら?


ダメだ……その時には考えなくなってるなんて、とてもじゃないけど思えないよ。


「そうなったらどうしよう……一生このままだったら」


「ご、ごめん。そんなつもりじゃなかったんだけど……とりあえずさ、今日を乗り切る事を考えようよ。明日の事は明日考えよう」


他人事だと思って。


でも、南部君なら本気で考えてくれる。


私と一緒に悩んでくれると思えるから、安心して頷く事が出来た。


荷物を持って、廊下に出た私達。


廊下の照明は、この時間には点いていて、私がおまじないをした痕跡はもうどこにもない。


残っているのは……もう一度やろうかなという思いだけ。


階段を下りて、生徒玄関に着いて、校舎を出る。


彩乃がどこの病院に搬送されたか分からないけど、近くの病院から当たって行くしかないよね。


「そこの病院じゃなかったらどうする?電車移動になるけど」


「それでも行ってみないとね。彩乃が元に戻ったかどうか、確めないとさ」


その言葉に嘘はない。


それに、電車を使うなら、私には考えがあるから都合が良かった。