それから、私の気持ちがこれ以上変化する事はなかった。


行きたいという気持ちと、いやダメだという気持ちが半分ずつ。


どちらにも傾いていないから、どちらにも傾いてしまいそうだ。


給食を食べて、五限目、六限目が終わり、放課後になっても変わらない。


この状態がギリギリ。


後一回くらい、もしかしたら大丈夫なんじゃないかと、今でも思う。


「じゃあ、病院に行ってみようか。山中さんがどうなったか、確めないとね」


帰りの準備を済ませて、ボーッとしている私に声を掛けた南部君。


「え?ああ、うん。そうだね」


おまじないの事ばかり考えてて、彩乃をすっかり忘れていた。


彩乃を助ける為におまじないをしたのに、それを忘れるなんてどうかしてるよ。


「また考えてた?勉強しなきゃならない時期に、勉強出来ないっていうのも辛いね」


「本当だよ。何か、志望校に合格出来るか怪しくなってきたよ……」


そうは言っても、おまじないで願いを叶えれば良いかな……なんて思ってもいるんだけど。


この考えがダメなんだよね……。


「いつまで考えなきゃならないんだろうね。もしもずっとそれが続いたら……」


そんな不安になるような事を言わないでよ。


考えもしなかった。