次も、その次の授業も、おまじないの事しか考えられなくなって、ついには南部君にそれを相談した。


「これは……思ったより重症だね。無意識とかじゃないんでしょ?気が付くとこの事を考えていて、簡単に願いが叶うと思っているんだね?」


「うん……今でも簡単だと思ってる。絶対にやらないって思ってたのに、おかしいよね」


「一回で満足する人だっていただろうに、必ず二回目に挑戦してしまった理由はこれか。思ったより大変な事になってるな」


今は、二回目に挑戦しようという気持ちと、やめた方が良いかなという気持ちは半々くらいで、何とか話が出来ているけど、時間が経てばどうなるか。


もっと挑戦しようという気持ちが強くなってしまえば、彩乃のように止めても聞かなくなってしまうんだろうな。


「本当にどうしよう……簡単なのは分かってるけど、失敗したら大切な物を失うんだよね?そして、二回目は必ず失敗する」


それでも私は成功しそうな気がするんだけど。


失敗したらどうなるかという事も分かってるのに、絶対にやらないって言い切れないよ。


「まあ、もしも二回目をやりそうになったら、俺が止めるよ。森川さんを絶対に行かせはしないからさ」


力強く、私の肩に手を置いて南部君はそう言った。