部屋の照明を消して、寝る準備をして布団に入り、いつ眠っても大丈夫なようにして話を聞く。


この、適度な低音が眠りを誘うんだよね。


『でさ、あいつが音楽室のギターのチューニングをしてたら弦が切れてさ、弾けた弦がおでこに刺さったんだよ』


「だから怪我してたんだね」


音楽室か……そう言えば南部君はあの噂話を知ってるのかな。


私は願いが叶うっていう良い面しか知らないけど、怖い話かなんかだと大体悪い事があるよね。


「ねぇねぇ、南部君は知ってる?19時19分に音楽室の前に行ったら願いが叶うって話」


『ああ……あれだろ?幽霊と話をするってやつ』


やっぱり知ってた。


「うん、それなんだけど、南部君はしたいとか思わないの?願いが叶うんでしょ?」


そう尋ねると、うーんと唸って、何かを考えている様子。


少しして、聞こえた南部君の言葉は、私には予想通りものだった。






『あれってさ、幽霊に話し続けないとダメだろ?それでもしも、逆に幽霊に質問されたら……何か大切な物を失うって話だから、誰もしないんだと思うけど』











何それ。その部分は知らない。


彩乃は知ってて学校に行ったの?


南部君の話を聞いて、私は少し不安になった。