布団を被って、身体を震わせながらどれくらいの時間が流れたのか。


気の遠くなるような時間を過ごしたような気がするけど、まだ30分くらいなんだろうな。


でも、そんなに経っても幽霊は何もして来ない。











……もしかして、幽霊はいないんじゃないの?


寝よう寝ようと頑張っていたけど、どこかで寝て、夢を見ているとか?


あり得なさそうだけど、あれから音も聞こえないし、今思えばあの音もどこか非現実的だったような気がするから。


きっとそうだ。


今は起きているけど、夢を見ていたんだ。


そうじゃなくても幽霊はいない。


そう思った私は、目を閉じたまま身体を伸ばし、布団の中から顔を出した。


目を開けなければ、何も見る事がないから。


落ち着きを取り戻し、軽く深呼吸して、眠りに落ちるのを待った。












パンッ!












眠りに落ちる瞬間、何かの音が耳元で聞こえて、思わず目を開けた私は……それを見てしまった。







ギョロッと見開いた目で、私の顔を覗き込む白い顔を。











「ひやああああっ!!」








そう叫んだ後の事は覚えていない。


気付いた時にはもう、朝になっていた。