南部君に急かされて、しぶしぶ中に入った向井さん。
私達もその後に続き、小屋の中に入ってみると……向井さんが言ったように、鼻の粘膜にまとわり付くような、嫌な臭いがする。
ツンとするような臭いじゃないのが、気持ち悪さを倍増させている。
さらに、この小屋の中。
人が住めるように、少しは改装されているようだけど……それを台無しにするかのような埃の量と暗い室内。
乱雑に散らかった床は、足の踏み場もない。
その部屋の片隅で、布団を被ってブツブツと何かを呟いている人物がいたのだ。
「よ、弘志、相変わらずだな。まだ見えもしない幽霊に怯えているのか?」
鼻に制服の袖を当てて、床に散乱する服や雑誌を足で掻き分けて、向井さんは弘志と呼んだ人物に歩み寄った。
でも、その人物は向井さんの声に反応せずに、相変わらずブツブツと呟いているだけ。
「……とまあ、こんな感じなんだけど。無理だとは思うけど、話してみるかい?」
向井さんに促され、私は小さく頷いて、弘志さんに近付いた。
「あ、あの……私の友達が、中学校のおまじないで失敗したみたいなんですけど……」
と、恐る恐るそう呟いた時だった。
今まで横を向いていた弘志さんが、急に私に顔を向けたのだ。
私達もその後に続き、小屋の中に入ってみると……向井さんが言ったように、鼻の粘膜にまとわり付くような、嫌な臭いがする。
ツンとするような臭いじゃないのが、気持ち悪さを倍増させている。
さらに、この小屋の中。
人が住めるように、少しは改装されているようだけど……それを台無しにするかのような埃の量と暗い室内。
乱雑に散らかった床は、足の踏み場もない。
その部屋の片隅で、布団を被ってブツブツと何かを呟いている人物がいたのだ。
「よ、弘志、相変わらずだな。まだ見えもしない幽霊に怯えているのか?」
鼻に制服の袖を当てて、床に散乱する服や雑誌を足で掻き分けて、向井さんは弘志と呼んだ人物に歩み寄った。
でも、その人物は向井さんの声に反応せずに、相変わらずブツブツと呟いているだけ。
「……とまあ、こんな感じなんだけど。無理だとは思うけど、話してみるかい?」
向井さんに促され、私は小さく頷いて、弘志さんに近付いた。
「あ、あの……私の友達が、中学校のおまじないで失敗したみたいなんですけど……」
と、恐る恐るそう呟いた時だった。
今まで横を向いていた弘志さんが、急に私に顔を向けたのだ。